四天宝寺という残酷なお話 〜テニミュ感想〜

四天宝寺という残酷なお話について

現在絶賛上演中のミュージカルテニスの王子様青学VS四天宝寺戦を見てきた。
まぁ、10回程観ていて毎回楽しいのだが、この凱旋に来て私は四天宝寺戦が持つ残酷なストーリー性に改めて気づいてしまったので、ここに綴るとする。
原作というよりはミュに準じた解釈ではあるが、ミュも原作準拠なので大きく逸れないだろう。というわけで、なんでこのお話が残酷なのかのお話始まり〜

テニミュに毎回あるテーマのお話
テニミュには表からは感じ辛いがそれぞれにテーマ的なのを配置していると個人的思っている。分かりやすい所だと六角戦は重圧との闘い(プレッシャー的なワードの多さ)や関東立海戦だと仲間・チームについて(共に仲間を欠いた状態で仲間と共に闘う)など所謂話の一本軸になるテーマが存在している。
じゃあ四天ってどんなテーマなのか?それを考えた時に出て来たのは【才能】という残酷なワードでした。
四天戦は笑いが随所に盛り込まれて楽しい舞台ですが、その裏には才能の話が沢山散りばめられているんです。

S3 天才と基本に忠実な闘い(凡才)
これは凡才が勝ちましたが、あと一歩の所で天才が牙を剥くのです。凡才は納得のいく試合が出来ず、【勝ったもん勝ち】という言葉で納得をするのです。ゆうて白石に関しては天才キラーな面もあるけどね。

D2 笑いの天才と不器用達(凡才)
これは凡才(不器用)達が勝ってますが、あの覆面が許可されなければ彼らは天才達に負かされてたでしょう。凡才だけの力で天才達には勝てなかったのです。

S2 パワーの天才とパワーの凡才
明らかに天才である銀さんが勝つ試合でした。しかし、ここで残酷な分脈になるのですが、【才能があるのに手放した男(亜久津)が凡才を支える】事によって凡才が勝つのです。あそこで天才対凡才+天才の試合なってしまい銀さんは負けるのです。これもまた凡才だけでは勝てなかったのです。

D1 天才と天才、凡才は存在できない話
これがこの四天宝寺戦を語る分脈で最も残酷に映る場所です。まず、謙也さんはスピードの天才です。しかし、自分の力ではあの手塚のような天才に敵わない。それが分かって手塚と同じような才能を持つ天才の千歳に試合を譲るのです。千歳と比べれば謙也の才能も凡才の域。彼は試合に出る事を許されません。
そして、財前です。財前も千歳と比べれば凡才でしょう。本来出る事は許されませんがタブルスなので、仕方ありません。故に彼はボールに自分の意思で触れる事を禁じられました。でも財前だって自分は天才だと信じてます。だから禁を破って触れに行こうとするんですよ、ボールに。
結果、彼は触れる事を許されませんでした。極め付けに乾に「俺たちが入れる領域じゃない」と言われて自分が凡才側の人間である事を強制的認めさせられてしまうのです。
そして千歳も自分より更に才のある手塚に倒されます。手塚は2つと扉を一度に開いた天才だったのですから。

S1 天才同士は決着がつかない
知っての通り一級勝負。半分になった事で引き分けを迎えるこの試合は、天才同士だと決着がつかないという事でお開きになります。


唯一凡才サイドが自分の力で勝ったのは白石位ですが、その白石も満足いく試合にならなかったのですなぁ…
四天宝寺戦は才能と才能がぶつかり合い、凡才側はそのままでは負けてしまうのという残酷なお話でした…

だからたまらねーんだ…天才達の集まり四天宝寺が負けちゃうんやで…あ〜苦しい〜
今回の財前は河村のお荷物発言が速攻自分にブーメランとして帰ってくるし、この文脈的に相当やられる男なんだよ…苦しい、けど愛おしい。サード解釈ありがとう…

あと天才だらけの四天宝寺を纏めてる部長が天才じゃないっていうの激アツじゃない???大好き。あと面白くないのも最高にいいと思う。

今日の日替わりで見たダサいラップが面白かったので収録してほしい〜〜〜
財前に3年の力を見せつける為にラップをやるけど、謙也さんが覚えてないから紙見るわって言ってるの最高に謙也さんだった。白石の放置プレイも最高だし、最後に天才財前君のラップで綺麗に締めて参りましたしてる四天が可愛かった!!!!

こんな可愛くてわちゃわちゃしてるのに!!!四天宝寺戦の文脈が残酷すぎるの!!!ヤベーーーー!!好きーーー!!うん、この四天宝寺戦はお笑い楽しいギャグ枠に見せかけて、まさしく全国大会準決勝という実力を持つ天才人間達だけが残る世界の話なのでした。