テニミュの夏、全国立海戦が始まる前に

【全立において思う事~始まる前に好き勝手書く遺書のようなもの~】

今年もついに夏が始まる。夏といえば、そうテニミュである。そして今年の夏は3rdシーズンラストの夏だ。3rdを追いかけて随分と経った、ついにここまで来たことに万感の思いがこみ上げる。立海の女としても負けられない戦いがここにあるのだ。故に、全立が始まる前に自分の中の全国大会決勝戦はどのような立ち位置であるかを確認しておこうと思う。

全立!全立!!と叫んでるが、正直この試合は立海じゃなくてもオチがついた話だと立海強火担として思うのです。
それは先生の過去の発言(40.5巻219ページ)より、ラスボスがキャラがよくわからない子達(名古屋成徳)より、強くなってリベンジに来た方がいいだろう、という事で立海が選ばれたのであり、その発想が無ければ名古屋成徳がラスボスでも大筋的に問題無かったと言えるのだ(大筋も決まっていた為。)
後述するが、全国大会決勝戦立海だった事で対比構造が鮮やかになり、より説得力に増す展開になったのは違いない。
だがこの決勝戦は、立海でならないといけない必然の理由はない。
勝戦での目的は、リョーマが絶望的な敵に追い詰められ尚テニスって楽しい!(天衣無縫)と思えるようになる事だからだ。
故に徹頭徹尾青学とリョーマの為に試合が存在してると言っても差し支えないだろう。
極端な話ラスボスが絶望的に強い力を持ってリョーマをギッタンギッタンにできれば話としても成り立つのであえる。
立海担に見られる傾向だが、全国大会の試合は辛いという言葉がちらほら耳に入る。というのも、バックボーンにあるのがこういう事情があるだから、その理念が試合にも反映されて辛いと感じるのだと私は思う。
あと、たまに関東立海負けて、全国でリベンジの構図にできなかったのか?という意見も聞く。わたしも当時思った事だ。
しかし、これも不可能なのだ。
そもそも立海が決勝戦に残るかは前述したとおり決まってなかった。
加えて立海のリベンジ戦になると、いわゆるリベンジの為という別ベクトルの物語が発生してしまい、テニスとはどんな形であれ楽しいものであるという説得力に欠けてしまう。
テニスは「勝つから楽しい」ではなく「楽しいから勝つ」「楽しめるから強くなれる」というメッセージが終盤に強くでる。
そもそもリョーマが小石と枝でテニスをするのも、出来なかった事が出来るようになる喜びや感覚を思い出させるものである。
全編を通してテニスの楽しさを伝えたいからにはリベンジ戦である事はその軸の部分を揺るがしてしまう要因になりかねない。故にこの試合はただの試合。リベンジ戦という認識は立海のみが持つ試合となっているのだ。(だが、始まる際に真田が青学の試合はお粗末的な台詞を言って関東大会は割とノーカンにしてリベンジ色を消している。この辺も立海のリベンジという要素をできる限り薄めて、青学に演出をシフトさせる意図が見られる)

ただ前述した通り、最後の試合がリョーマ対幸村になった事により、対比構造の深みは増したと言えるだろう。
幸村は死を目の前にする難病にかかっていた。それを乗り越えた彼は文化人類学的にいえばイニシエーションを乗り越え、大人になったという側面が見られる。だが、彼は年齢的には中学生だ。体と心のバランスは不均衡であり、何よりテニスをはしゃぐように楽しむ事が天衣無縫の極み(強くなる)に至るなら、彼のイニシエーションは時期が早すぎたのだ。故に勝つ事が楽しさとなった大人的精神の側面を持って彼は物語のラスボスとして立ちはだかる。
それを勝つ形で救うのがテニスの王子様たるリョーマの役目であるだろう。
これはいつもイメージとして何度も語っているが、手塚と幸村はプリンセス的なイメージなんですよ。手塚は青学が優勝しないと自由になれない呪い、幸村は勝ち続けないといけない呪いをかけられたプリンセス。この呪いの解けるのがテニスの王子様の代名詞たるリョーマなのだ。特に幸村についてはこの呪いを解くにあたり、立海メンバーでは絶対不可能である事が滾る要素である。
これは新参の学校では出せなかった深みの部分なので、立海がラストで良かったなぁとしみじみ思える部分である。ただし、深みがあるという程度なので、やはり立海じゃなくても何とかなったのだ。特にゴールデンペアがプラチナペアを時間稼ぎの上フルボッコにしているのはそういう部分が顕著に出ているシーンだと思う。あの時、全ての試合は青学の為、リョーマの為にあったのだ。だからこそ、立海担は辛いのだ。全てが青学に捧げられる試合になる決勝戦に涙をなくして見ることができないのだ。


【全立が二部に戻ってよかったなぁ、と思う事】
ここからはテニミュの話にちょっと戻りたい。今回前編・後編に戻してくれたのを私は心より嬉しく思う。見る回数が増えるのは勿論、作品としての軸がブレにくくなるの良い。
変な話、立海のリベンジの話も四天宝寺がでてくるのも本編としては余計な要素であると思う。これはリョーマと青学の為に誂えた話なのだ(ライバルズに関してはリョーマの構成要素であると考える)。それ故に前編でこの立海要素と四天宝寺要素を強く出し、後編で青学フィーバーそしてフィナーレへのような演出になるのなら最も良い形であると思う。2ndの時は本当に情報詰め込みすぎて、訳が分からなくなって、理解できたのって三回目を見た時だったのを今でも覚えてる。
ただ怖いのは後編でライバルズにフィーチャーしすぎる事だ。青学フィーバーという軸がブレない程度によろしく頼みたい。

【柳蓮二について思う事】
全立の柳さんは、最も忠実に幸村君の指示を聞く人物になっている。関立とは全く反対の立ち位置にいるのが柳さんで、その結果勝つというのがなんとも皮肉なのだ。
だが彼は関立で自由に振る舞い負けたからこそ全立では自分を殺していたのだと思う。ここでの彼の姿は立海大三強の一角であって、個性は無いものだと思ってる。
あぁ〜〜〜〜苦しい〜〜〜〜
あの関立で見せたキラキラの柳さんは何処へ消えたんだ〜〜

2ndの時に赤也の胸ぐら掴んでいた柳さんはちょっとトラウマなので、なんとかしてほしい所存。あと試合の前には必ず靴ひも直してくれよ!2ndの時はずっとオペラグラスでその行動を監視見ていたので、そういう細かい所が楽しみ。というか全立ってキャッキャって観れるシーンがべらぼうに少ないので精神的にやられないか不安すぎる…。ベンチワークも皆無だと思っているけど、私は柳蓮二の勇姿を見るためにチケットを過去一用意したので、虚無になりながらも鑑賞してきます。
あと出戻り立海勢達の経験値は引き継がれる事なく0に戻ってると私は思っているので、最初はあんま期待しないで見ておくべ〜

こんな遺書を私は残しておく。幕が上がるまであと少し。私が心から楽しめる舞台が見られるといいなぁ…